ブログの題名にちなんで雑学を一題。
「博物誌」といえば、古代ローマのプリニウス(AD23-79)のものが有名だ。帝国の高官でありながら森羅万象に好奇心を燃やし、広大な地中海世界を旅して膨大な著作を残した。ヤマザキマリ+とり・みきさんのコミック「プリニウス」では、科学者的な変わった人物として描かれている。博物学の祖ともいうべき人である。
プリニウスは皇帝ヴェスパシアヌスと親密で、その理解を得て博物誌37巻を著した。この皇帝は大変勤勉で、皇帝ネロの暴政後の混乱を収拾して帝国を繁栄に導いた名君なのだが、ちょっと変わっている。(おやじ)ギャグが大好きなのだ。コミック中でも、属州総督時代の皇帝がプリニウスと再会したときギャグをやって、同行者に「ローマの高官の変人がたまたま二人揃ってしまっただけだ」とあきれられている。
画像は同時代に造られたデナリウス銀貨(ホンモノです)に描かれた、皇帝ヴェスパシアヌス(在位AD69-79)である。見ての通り丸頭のオッチャンだ。しかしその眼光と引き締まった口元はやはりただ者ではない。