植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

クロガネモチの花

街角の植え込みの木。新緑が鮮やかだ。ふと見ると小さな花が付いている。葉の付け根ごとに5~7個付いているが目立たない。つやつやした厚めの葉は全縁(ぜんえん。周囲のギザギザが無い)の舟型だが、似た葉の木はいくつもあるので名前がわからない。花を接写して調べてみた。

 

拡大するとなかなかカワイイ花だ。わずかにピンクがかった白色で、径5㎜ぐらい。花びらは5枚。6枚のものもある。検討の結果クロガネモチの花と分かった。モチノキ科の常緑高木で、よく庭木に用いられている。

 

葉の柄や若い枝が赤紫色で黒っぽく見える。近縁のモチノキは花弁が4枚で、葉柄は黄緑色だ。この色の違いが「黒鉄(くろがね)」の名前の由来である。なお、似た葉を持つトウネズミモチは花の特徴が異なり、モチノキ科ではなくモクセイ科である。

 

雌雄異株でこれはメス。花の中央に大きな黄色い雌シベが突き出しており、周辺に退化した赤紫色の雄シベが並んでいる。晩秋11-12月に大量の赤い実に変わる。(画像下)ネットには実だけでなく花の画像も多く投稿されている。独特の美しさを感じるのだろうか。