季節外れの暖かさが続いたがようやく朝晩冷え込むようになった。近所を歩いていると草が枯れた空き地に鮮やかな緑の草が目についた。近づいて確かめると独特の葉と巻きひげが見え、春にカラスノエンドウが大きな草むらになっていたのを思い出した。(花の画像は3月下旬)夏以降いったん消えていたが、こんな季節に芽を出して葉を茂らせている。不思議な感じがした。
標準和名をヤハズエンドウ(矢筈豌豆)という。羽根がついた矢の後端を矢筈(やはず)といい、葉の先端が同じようにへこんでいることが名前の由来とのこと。画像では若い葉のせいか先端には小さな突起がある。名前も役に立たない意味のカラスノエンドウ(烏野豌豆)の方が一般的で、私はこちらで覚えていた。
原産地は中央アジアから地中海沿岸地方とされる。夏は高温で乾燥し冬に雨が降る地帯であるため、秋に芽を出して冬越し春から初夏にかけて花を付け実がなる。寒さには強いが高温多湿には弱く夏は枯れてしまう。作物のエンドウにも同様の性質がある。非常に古くにエンドウと一緒に日本に伝来したが、実が小さすぎるせいか今は雑草の扱いである。