牧野記念公園から街の中を15分ぐらい歩くと石神井公園に出る。細長い池を中心にした広大な公園である。池の水は不透明だが明るい色で、周辺に緑が多い。水辺特有の植物を中心に見て回った。
ラクウショウ(画像上)
メタセコイアとよく似た目立つ 木だ(画像では中央の高い木)。アメリカ東南部原産。かつて、公園のシンボルツリーとして植えられたものと思われる。葉がメタセコイアより小さく羽根のようで、秋に落葉することから「落羽松」、というのが名前の由来。今は大量の実を付けている。湿地を好むので「沼杉」ともいう。
コウホネ(画像下)
遠目に侵入種のホテイアオイかと思ったら在来種のコウホネ(河骨)であった。スイレン科。多年生の水生植物。水面下、泥の中の地下茎が白い棒状で、骨のように見えるのが名前の由来。5枚の黄色い花びらはじつはガクで、直径5~7㎜と小さいがよく目立つ。
田の周辺など水辺を好む植物。仏様に供える花に使われた。漢字で書くと「禊萩」である。多摩丘陵の谷戸田でも時々見かける。よく見ると花びらが6枚とユニークであるためミソハギ科という独自の分類になっている。
スイレンの仲間の日本在来種。派手な園芸種ではない。地味だが小さな白い花に好感が持てる。
ジブリの新作アニメに出てくる「アオサギ」は青い羽根だが、実物はそうでもない。まだ暑い日差しを避けて木陰でグダグダしている。そんなところはオジサンぽい。
歩いてみると、さすが牧野博士の地元である。植物と環境保護に対する意識が高いように見受けられた。ゴミや不法投棄がみられず、こういう場所に多い外来侵入種の植物がほとんど生えていない。ザリガニ(外来種)採りイベントのポスターが張ってあり、様々な努力がなされているようだ。