植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

牧野記念庭園

NHKの朝ドラで注目が集まっている牧野富太郎。その旧居が東京都練馬区西武線大泉学園駅近くにあり公園として保存されている。9月に入ったとはいえまだ暑い日曜日、現地を訪れた。住宅地の中だが遠目に少し変わった印象を与える高木(ダイオウマツなど)が伸びだしており、場所はすぐわかった。

 

園内には彼にゆかりのある植物が残されている。牧野は1000種もの植物に名前を付けたといわれる。有名なのは奥様の名前からとったというスエコザサ(画像上)である。アズマネザサの変種で、学名ではなく品種名として扱われる。富太郎の胸像の前に植えられている。確かに一般のネザサに比べると葉の表面に毛が目立ち葉の形も異なる。

 

牧野が命名したヒメアジサイ、ウバユリ、タマノカンアオイ、シロヤマブキなどが興味深かった。今は花がない時期なので画像を紹介できないのは残念だ。よく見かけるセンダンは彼により学名が付けられた。その他にも多数の植物がみられる。

 

彼の書斎というか小さな離れのような建物(画像下)が、一回り大きな建屋でおおわれて残っている。中は原書や図鑑などがぎっしりで、植物採集用のドウランや標本を挟んだ紙の束が積まれている。足の踏み場もないが、好きなものに囲まれて至福だったであろう。彼が長い生涯で全国の協力者とともに収集した標本は膨大である。各地の大学等で保存されており今もよい研究材料になっているそうである。