植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ナギの葉

三嶋大社は古くから伊豆の国一の宮として栄えた。祭神は事代主神大山祇命。伊豆諸島の噴火・造島を司る神として、皇室や多くの武将の尊崇を集めた。流人から鎌倉幕府を開いた源頼朝や、最初の戦国大名北条早雲が開運したパワースポットとしても有名である。今回の遠出は暑くてダウンしているためその辺を期待したものだ。

 

境内は木々が多く、クスノキキンモクセイの古木が御神木になっていた。観察しながら歩いていると、中門の近くに「ナギ」と表示のある大木があった(画像上)。濃い緑の葉で一見モチノキに似ている。しかしよく見ると葉に目立った葉脈がない(!)ちょっと驚いた。

 

調べてみるとなんとマツやスギの仲間の裸子(らし)植物である。一般には針のような形の葉だが、この木は幅広く船形で普通の被子(ひし)植物にしか見えない。花びらの無い地味な花を付け、青黒い実がなる。別の特徴として、樹皮が薄く剥がれその跡が赤茶色になる(画像下)。

裸子植物マキ科の常緑高木。日本の本州以南から東アジアの暖帯から亜熱帯に分布する。古くから神聖視されて神社などに植えられた。なお、ナギは漢字で「梛」と書くが、音が「凪」にも通じるため家内安全・夫婦円満などの御利益があるそうである。