多摩丘陵の一角にある谷戸を整備した公園。広い池があり周辺に雑木林がある。下草が刈られるなど手入れされており、かつての里山の環境が残されている。今は草木が葉を茂らせる時期で昼でも暗い。目立つ花は少ないが、探すと日陰を好む植物がみられる。
キツネノカミソリ(画像上)
林縁の夏草の中では強烈な朱色の花も埋もれてしまう。ヒガンバナ科。花びらは6枚でそり返らない。春に出た葉は一旦枯れて、8月中旬に20~30㎝の花茎のみを伸ばし花を付ける。
タマアジサイ(画像下)
湿った環境を好む。薄暗い林の中の沢の近くで群落をつくっていた。ツボミがボール状なので「玉」という。これも真夏の花だ。
ガンクビソウ
キク科の素朴な花。暗い林の中で下草から頭を出していた。花茎の先端が曲がって下向きに花を付ける。昔タバコを吸うのに使われたキセルの先端(雁首、がんくび)を思わせることが名前の由来。サジガンクビソウだと思うがはっきりしない。
アキノタムラソウ
「秋の」という名前だが7月から10月頃まで咲き続ける。林縁でも暗い環境ではあまり大きくならない。秋はシソ科の花がリレーのように次々と咲いていく。その先陣を切るものだ。
キツネノマゴ
この草は林縁でもやや日が当たるところに多い。花びらは下が大きい上下2枚。晩秋までポツポツと咲いていく。