里山や古くからの民家の周辺に多く、半日陰のようなところに群落を作っている。この仲間は葉だけ見ているとそっくりである。よく見ると区別はできるのだが、はっきりしたことは花の時期を待つしかない。花といっても花びらのない薄緑色の小さなものである。
イラクサ科の多年生植物。草丈は1m以上になる。冬、地上部は枯れるが地下茎が残っていて翌年また群落を形成する。葉は互生(よく似たヤブマオは対生)して縁に明瞭な鋸歯がある。葉裏は青白い。花は葉の付け根に房状に着く。雄花と雌花があり、雌花は同一株の先端の方に着く。
茎の皮から丈夫な繊維が採れるため古くから栽培されてきた。江戸時代に綿の利用が一般化するまで、自家で栽培したものを原料にして衣類や縄などにして使われてきたとのこと。これで人里の近くに群落が多いことが納得できる。植物から自分たちの祖先の生活を想像してみることも面白いと思う。