植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

オモダカの花

相模川沿いに田園が続く地帯がある。稲が穂を出しており、周囲の空気に秋の気配を感じる。水田に目立った雑草は見られない。歩いていると水面から伸びている変わった形の葉を見つけた。カワイイ花を付けており、白い花弁は三枚で径約2㎝。オモダカである。

 

オモダカ科の水生植物。日本各地の湿地などに分布する。雌雄別花で、花茎の先の方に雄花、根元の方に雌花が付く。雄花の中心部はオレンジ色の雄シベであり、雌シベは緑色の団子のような子房が付いている。緑色のボールのような実になっているものもある。

 

逆Y(わい)字形で先端が鋭く尖った葉は独特である。もう少し幅が広かったように思うが、ここのものは幅が細く鋭い刃物を思わせる。この形が矢の先につける鏃(やじり)に似ているので、別名「勝ち草」とも呼ばれ、図案化した家紋は戦国大名に広く使われた。

 

水田の周辺を探すと結構生えている。触れば切れるような感じの葉と可憐な花。見ていて飽きない植物である。