植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

コガモが戻ってきた

   <カルガモのペア(左)を見ている2羽のコガモ。大きさの違いが分かる。>

いつもの街中の川。夏場はカルガモがのんびり泳いでいるのを見るぐらいだった。涼しい風が吹いていた3日前、小型のカモがペアで泳いでいるのを見かけた。もしやと思い、写真を撮って調べるとやはりコガモ(小鴨)であった。私のデジカメのズームでは解像度はこの辺が限界だが、特徴は分かると思う。

 

羽は2羽とも茶色の網目と斑点模様で、地味なメスの様相でほぼ同じである。5月初旬に派手な模様のオスとカップルを作り仲良くシベリアに旅立ってから5か月。オスはどうしたのだろう。いやひょっとするとこれがモノの本で読んだエクリプスというやつか。

 

コガモなどカモ類のオスは、冬から春の繁殖期というか相手を見つける時期に派手な婚姻色に変わる。その前の夏の一時期はメスそっくりの地味な羽をしている。これをエクリプスという。日食、月食の「食」の意味だそうだ。夏場の子育てとシベリアから海や山を越えて戻ってくる間、目立たない方がタカなどの天敵に狙われにくいのだろう。

 

北で生まれたメスの若い個体かもしれない。エクリプスのオスならこれから羽が抜け替わって変化する。また観察の楽しみが増えた。とりあえずお帰りなさい。