街では桜が満開となった。里山の風景も急速に春の装いに変わってきている。多摩丘陵を歩いていると、ついこの間まで枯葉しかなかった林縁や空き地が、様々な草花で覆われているのに出会う。その中で地面を這うように葉を広げ、咲いているのがこの花である。黄色が実に鮮やかだ。
バラ科。花の直径は1~1.5㎝ぐらい。よく似たキジムシロとは葉の小葉の数が違う。名前の通り三つ葉の複葉である。また近縁のヘビイチゴも三つ葉だが、小葉の形が細長く周囲のギザギザが鋭角的な点が異なる。花も中心部に盛り上がりがなく、イチゴ形の実はできない。
キノコの仲間にツチグリというマンジュウ形のものがあり、類縁のツチグリというキク科植物は地下部が肥大してツチグリ(キノコの)のようになる。その三つ葉の種類というのが名前の由来である。ちょっと変な名前が気の毒だ。