マンションや民家が続く住宅地を流れる川。護岸はコンクリートで固められ両側が広い歩道になっている。日当たりが良く様々な植物が見られる。クルマが通らず人通りもソコソコなので時々立ち止まって観察しても大丈夫だ。このところ路傍の雑草ばかりなのはそのせいである。
先に夏草の中で目立つものとして外来種のタチスズメノヒエを紹介した。では在来種のスズメノヒエはあるのか。探してみるとすぐ見つかった。草丈は1mぐらい。長い穂(ほ)を伸ばして先に180°食い違った花(小穂、しょうすい)の総(ふさ、5㎝ぐらい。)を3本付けている。たまに4本以上のものもある。しかしよく見ると花粉?が黒いぞ。ということで詳しく観察してみた。
結論として南アメリカ原産のシマスズメノヒエであった。アルゼンチンの大草原パンパに多いそうである。花に付いている黒いものは雌シベの柱頭(ちゅうとう、先端の毛のようなもの。花粉を受け取る。)と雄シベの葯(やく。花粉の袋。)だ。それに対してスズメノヒエは黄色っぽい。よく見えないが花(小穂)に毛があるのもスズメノヒエとの違いである。
花は横から見ると下が尖った円形である。それが総(ふさ)で2列に並んでいて上から見るとちょうどジッパーのように見える。これが縞(シマ)模様に見えるとか、日本で最初に見つかったのが小笠原諸島で島(シマ)、とかいうのが名前の由来である。
それにしても日本在来種のスズメノヒエはどこに行けば出会えるのだろうか。