植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ムラサキケマン

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多摩丘陵谷戸田(やとだ)の林縁に群生していた。平地でも半日陰の道路脇などでよく見かける。花房(はなぶさ)の高さは15㎝くらい。早春の花の中では少し大型で目立つ。個別の花は最初横向きだが、すぐ垂れ下がり萎れてくるので、きれいなものを撮るのが難しい。

 

花弁は内外に2枚ずつ4枚で筒状になる。外側上部の花弁が袋状になって後ろに突き出している。これは距(きょ)と呼ばれる蜜が溜まる部分である。

 

先端が唇(くちびる)状で赤紫色が濃く、第一印象はレンゲのようなマメ科かと思った。ところがヒナゲシのイメージからは程遠いが、ケシ科である。そのため有毒成分を含む。葉の形も変わっていて、先端が細かく分かれている。白い斑があり、ちょっとニリンソウに似ている。

 

ケマン(華鬘)というのは、仏殿や仏具から垂れ下がっている飾りのことである。花の印象が似ているとして名付けられたようだ。近縁で黄花のキケマンは1回見たことがあるが、やや大ぶりの花で充分鑑賞に耐える。