植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

相模川の玄武岩(げんぶがん)その1

相模川は神奈川県の中部を流れる大河で、この手の石は下流の海老名市付近の河原でも多い。外見は穴がだらけだが硬く、手に持つとずしりと重い。黒褐色の生地に灰色の点々の結晶(斜長石)が散らばっている。玄武岩とは火山岩の一種で、有色鉱物が多いので黒っぽくなる。要するに溶岩が固まった岩石である。地上で生成したものは、火山ガスが気泡となって抜け、跡が多数の穴になっている。

 

相模川の上流域は丹沢(たんざわ)山系や関東山地である。現在火山はない。モノの本によると相模川玄武岩は富士山由来と書かれている。なぜ分かるか?日本の火山では玄武岩質の溶岩を噴出するものは数少なく、近辺では富士山くらいなのである。ちなみに箱根火山は玄武岩質ではない。

 

そういえば大きな支流である道志川(どうしがわ)は富士山麓の山中湖に源を発している。直線距離で70キロぐらいあるのに、比較的大きな石だしあまり摩耗した感じでもない。山中湖は富士の溶岩による堰止湖(せきとめこ)と聞いたことがあるので、洪水で決壊した時の大土石流で一気に押し流されてきたものかもしれない。破局的な光景を想像した。