オトギリソウとともに咲いていた花。小さな花が多数集まって花房(はなぶさ)になっている植物は、種類が多く皆似ているので、名前を調べるのにいつも苦労する。今では画像解析で簡単だそうだが、それじゃツマラナイでしょう。しかし今回はネット検索ですぐ見つかった。多摩丘陵の夏の花として普通に見られるとのこと。
ところが、アカショウマは「アカ」と付くのに純白の花だ。画像の花はピンク色がかかっている。いくつかある類縁種も調べてみたが、ほかの場所で咲いていた近縁のチダケサシははっきり赤紫色だし、花の形が少し違う。花房の基部に分岐が集中していることからアカショウマとしておく。
拡大してみると個々の花は内側がピンク色で外側は白い。ネットの画像と比較すると、どうやらはこの花は未熟なもののようである。成熟してくると先端の白い花びらの部分が伸びてくる。その結果色が薄くなるのか、内側が見えなくなるので全体が白く見えるのであろう。
いずれにしろ不思議な花の形と色合い、そしてその変化は実に興味深い。名付けた人はそれに気づいていたのだろう。なお、「ショウマ」は「升麻」と書き、キンポウゲ科のサラシナショウマと近縁種の漢方薬名であったが、似ている他の科の植物と混同されたために、色々な科の「ショウマ」がある。昔の人も見分けるのに苦労したのだ。アカショウマはユキノシタ科で、本州や四国に自生している。