農地が残る郊外を歩いていたら、冬枯れの果樹園の地面に黄色い花が咲いていた。地面からいきなり、直径3-4センチメートルはある花が生えている。誰かが花だけまき散らしたんじゃないかと思ったぐらいである。よく見るとごく短いが太い茎がある。葉はない。
今日は暖かい晴天とはいえ、きのうまでは真冬の寒さである。急に春爛漫みたいな花を見て、はっきり言って驚いた。
「なんじゃこれは」ということでデジカメに収めて、帰宅後検索してみた。どうせ農家さんが植えた外国種の花だろうと思っていたら、なんとフクジュソウであった。名前はよく知っている。
正月の寄せ植えなどで見るものは、3,4センチメートルぐらいの草丈だ。小さい花で葉もあったはずである。だが、どうやら今回のものが本物のフクジュソウであるらしい。点々と散らばっていて植えられた感じがなく、野生のものかもしれない。
キンポウゲ科で、独特の輝くような黄色である。早春に花を咲かせ、その後茎や葉が伸びてきて夏には地上部は枯れてしまう。そうして地下で春を待つ。典型的なスプリング・エフェメラルだ。