植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ゴーヤ植え過ぎ

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真夏の太陽光がキツイ。夏野菜の中で今一番元気なのがゴーヤ(ニガウリ)である。植えたのが遅かったのでようやく収穫1号だ。ユニークなデコボコのある実は、よく見ると緑色の玉石(ぎょくせき)のような透明感がある。

 

数年前、同じNPOの人が作ったものをいただいて、初めて我が家でチャンプルーを作った。苦いのだが、不思議な旨味があってなぜか箸が止まらない。病みつきになってしまった。以前、沖縄料理店で食べたものはただ苦いだけだったので、もう一生食べないだろうと思っていたのに、だ。品種は同じはずなので、育て方で味が違うようだ。

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 今年は調子に乗って10本も植えてしまった。堆肥をたくさん入れてよく耕した畑なので、ツルにも葉にも勢いがある。みっちり繁って次々と黄色い花を付けている。プランターグリーンカーテンとは訳が違う。これからすごい勢いで実が成りだすと思う。放っておくと巨大化する。皆さんにもお分けするが、いくらおいしくても何日も連続では食べられない。困った…。

積乱雲の中

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外に出ると強烈な日差しが眩しい。見上げると、青い空に入道雲がムクムクと湧いていた。正式には積乱雲というが、昔それを体感する経験をしたことがある。

 

8月にヨーロッパ大陸を飛行機で横断した。広大な陸地には雲一つなかったが、機内のTV の天気図によると行く手に長大な寒冷前線が横たわっていた。冷たい気団と暖かい湿った空気の境目で、積乱雲が発生する。要するに入道雲の帯である。そのうち白い雲の壁が見えてきた。

 

雲に突っ込んだ瞬間、真っ暗になり、一気に1000mも吹き上げられた。凄い上昇気流だ。窓には雹(ひょう)のような氷の塊がバシバシ当たり、機は大きく揺れた。イナビカリで照らされた機内で横に座っているアフリカ系の人が見えた。黒い人の蒼ざめた顔を見たのは初めてだ。数分で元に戻ったが、けっこう怖かった。

 

今は気象レーダーで検知して回避するそうである。当時のヨーロッパ系の航空会社は荒っぽかった。あの雲の中で何が起こっているかを知る貴重な経験であった。

謎の木の実

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公園を歩いていたら茂みの中にこんな木の実が… 宇宙生物っぽい。長さ5㎝ぐらい。半球に十文字の切れ目がありアンテナみたいな突起がある。緑色だし、「トイ・ストーリー」に出てくる三つ目の宇宙人を連想した。(「リトル・グリーン・メン」というらしい。)

 

調べると、トサミズキの実だった。花ならよく知っている。早春3月に薄黄色の花房(はなぶさ)を木全体につける2-3mの低木である。公園や民家によく植えられている。この実もよく知られているのかもしれないが、私は初めて見た。

 

葉は丸っこく葉脈や鋸歯(周囲のギザギザ)が目立つ。そのため最初はカバノキ科のハシバミの仲間かと思った。じつはマンサク科。あの楚々とした地味な花が、こんな個性的な実になることは信じられない。無数についていた花房から実がこれだけというのも不思議だ。秋には成熟して赤茶色に変わるそうである。

キタマゴタケ(黄玉子茸)?

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この画像は7月12日のもの。梅雨の晴れ間に丘陵地を歩くとキノコがポコンと出ているのをよく見かけた。まだ梅雨の末期で今ほど暑くなく、非常に湿気が強かった。9月下旬の秋の長雨頃のキノコのシーズンと気候が似ているので、思わず顔を出したのだろう。

 

色々な種類があるが、このキノコは鮮やかな黄色に強烈な印象を受けた。釉薬がかかった陶磁器のような透明感がある色合いと焼きプリンのような質感である。傘が開いたものは周囲に条線が表れている。中央がへこんで色が少しカラメルっぽくなっておりますますプリンだ。別の角度から見ると軸にツバがあるのが分かる。

 

手持ちのキノコの図鑑に無く、ネットの画像の比較と特徴からタマゴタケの仲間と判断したが、もとより確信はない。いくらプリンみたいでも食べる気はしない。

カリガネソウ

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小山内裏公園には多摩丘陵の珍しめの野草を集めた見本園がある。今の時期は夏草に紛れていることが多いので、実物をよく観察してから探すと見つけやすい。

 

画像はカリガネソウである。地味なものが多い中でこれだけ浮いたような存在感だ。最初は園芸種が紛れ込んだのかと思った。草丈は1m近くあり、派手な紫の花である。雁金草というのは花の形が鳥の雁(かり)に似ているところから来ている。触るとイオウ臭がするそうだが、試さなかった。

 

シソ科。花弁は5枚で上向きに2枚、左右に2枚。下向きの一枚が大きく白い紋様がある。白い雄シベ雌シベが上に長く伸びて大きく前に弧を描いている。花粉を運ぶ虫が花びらにとまると、雄シベが背中に当たって花粉を振りかける仕掛けになっている。

 

残念ながら自生したものにまだ出会ったことがない。必ずどこかに生えているはずなので、探してみるつもりである。

ウワミズザクラの実

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小山内裏(おやまだいり)公園は多摩丘陵の一角を残した都立の公園である。そこを歩いていて、雑木林の縁でカラフルな実を付けた木に出会った。

 

調べるとウワミズザクラの実とのこと。要するに赤や黄色のサクランボがブドウのような房になっているのだ。何とも嬉しくなるような色合いである。

 

日本全国に自生するサクラの原種の一つである。といっても小さな花が多数集まっている総(ふさ)咲きの種類(バラ科ウワミズザクラ属)で、普通のヤマザクラ(サクラ属)などとは違う系統だ。大木になり、春に白いブラシのような花を木全体につけるが、地味で目立たない。この辺りではよく見かける。

 

名前の由来であるが、漢字では「上溝桜」と書く。しかし実は「占(裏)溝桜」で、ウラミゾザクラというのが本当らしい。太古の昔、神様にお伺いを立てるとき、裏に溝を彫った鹿の肩甲骨をこの木を燃やして焼き、生じたヒビで吉凶を占ったという。由緒正しい、神聖な木なのである。