多摩丘陵にある大きな寺院。屋根の破風に見られる三つ鱗(みつうろこ、北条氏の家紋)の紋が由緒を感じさせる。境内を歩いていると赤い実とツヤのある葉の木が目についた。同行の人にタラヨウ(多羅葉)だと教えてもらった。
モチノキ科の常緑高木。静岡県より南西の山野に自生し、関東地方では寺院などに植えられている。葉の付け根に小粒の実がたくさん付く。
葉は長楕円型で長さ20㎝程度。葉の裏は白っぽく硬いもので字を書くと黒く残る。一説では、昔はこれを手紙にしたので「葉書」の語源になったといわれる。名前はインドで経文を書くのに用いられたヤシ科の「多羅(たら)樹」にあやかったもの。