植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

谷間の植物:秋

多摩丘陵から高尾山の方につながる山地は最高所でも3-400mで、多くの谷(谷戸、やと)が切れ込んだ複雑な地形をしている。谷戸の道を歩いていくと薄暗い雑木林の中に続いていた。近くに谷川があるので湿度が高くしっとりした空気に包まれている。ここは半日陰で湿度が高く、いわゆる林縁の植物の種類が多いところだ。

 

シロヨメナ(画像上)

白い野菊は暗い林縁でよく目立つ。似たシラヤマギクとは花びら(舌状花)の数が整っている点で異なる。他の野菊との区別はいつも問題になるが、ノコンギクやカントウヨメナは日向を好み花色が薄青紫色のものが多いことから、シロヨメナとした。

 

ヤクシソウ(画像下)

キク科。丘陵地では多い種類だ。黄色い花は9月ごろから咲き始め、11月末ごろまで見られる。

 

サラシナショウマ

キンポウゲ科多年草。長い花穂の先にブラシ状の白い花をつけよく目立つ。類縁のイヌショウマとは花序の形が異なる。

 

アズマヤマアザミ

山地の沢沿いや林縁に生える多年草。花色が薄く、下向きの華奢な作りの花だ。下に代表的な秋咲きのアザミであるノハラアザミを示す。谷戸の畑の周りの日向に咲いていたもの。違いが良く分かると思う。

 

シモバシラ

シソ科の多年草。白い筒状の花が同じ方向に並ぶのが霜柱を思わせる。冬に枯れた茎から薄い膜状の霜柱が噴き出すことでも知られている。多摩丘陵で自生しているとの情報もあるが、これは公営施設の花壇に植えられていたもの。