いつもの街中の川。今年は台風や長雨が少なく流されなかったためか植物が多い。といってもコンクリートで固められた川なので、生えているのは護岸の隙間やコンクリが剥がれた川底、溜った土砂による中州などである。日照と水は十分だが、常に増水で流される可能性のある独特の環境だ。いくつか見ていこう。
ヨシ(アシ、葦、画像上)
イネ科の水生植物。先日の雨による増水で倒れており、穂も濡れそぼった感じだ。直立すると2m以上ありそうである。川の中州に大きな群落を形成している。川が整備される前は周辺は湿地で、葦原になっていたのだろう。元々の呼び名はアシだが「悪(あ)し」に通じるとしてヨシ「良し」に替えられたそうである。
ススキ(画像下)
川の中ではなく、乾燥した護岸の斜面に多い。風になびくと秋らしく爽やかな感じだ。
水辺でよく見る植物。草丈は1m以上ある。東南アジア原産のイネ科で、古くに帰化したもの。ハトムギは栽培種。種が水流に乗って流れ分布を広げる。
ガマ
ガマ科。ヨシと並んでかつての水辺を代表する水生植物。水流で倒れており、茶色のソーセージみたいの穂はあまりついていない。昨年は多く見られたが今年は他の植物に押されている。
カナムグラ
アサ科のつる性植物。日本在来種。護岸から中州までびっしり広がっている。増水が少なかったせいかもしれない。今は地味な花を大量につけている。
ブタクサ
キク科の外来種。これも最近多く見られる。おそらくオオブタクサで、昨年は3mを越えるものが林のようになって他を圧倒する勢いだった。
アレチウリ
外来種のウリ科雑草。花や実はけっこう付いているが目立たない。大きな葉とツルばかり。この川では昨年までほとんど見なかった。今年は大きく広がってカナムグラと競っている。