植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

枯葉の中の青葉(その2)

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多摩丘陵の雑木林は広い面積が公立公園になっており、定期的にネザサや潅木の刈り取りがされている。シラカシやイヌシデ、コナラを主とする雑木林の林床(りんしょう、林の地面)は、真冬の今枯葉に覆われている。枯葉を踏みしめながら植物を探してみた。

 

タマノカンアオイウマノスズクサ科、画像上)

多摩丘陵固有種の植物であるが、近場でも珍しい。左右40㎝ぐらいで、これはかなり大きな株だ。葉が平面的なカントウカンアオイと比べると膨らんだ感じである。春になると他の植物に埋もれてしまい、どこにあったかもわからなくなる。そのころ枯葉の下の地面でひっそりと独特の花を咲かせる。

 

ジャノヒゲとマンリョウ(画像下)

青い実のジャノヒゲ(別名リュウノヒゲ、キジカクシ科)と赤い実のマンリョウサクラソウ科)は林床の植物の定番である。今はどちらも実はほとんど残っていない。ジャノヒゲは葉の幅が2~3mmと細い。林床を横から透かして見ると点々と大きな株が見られる。実は鳥が食べて種を広げるようだ。

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ヤブラン(キジカクシ科)

ジャノヒゲに似ているがずっと大きい。葉の幅は5~10mmある。先日の雪のせいか葉が押しつぶされたようになっている。オオバジャノヒゲとも思ったが黒い実が残っていたのでヤブランとした。

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シュンラン

これはラン科。ヤブランと比べると葉は薄手で硬い感じ。この場所で何度も花を見ているので間違えないが、葉だけでは遠目には見分けがつかないところだ。春蘭というぐらいで春の花は美しい。楚々として品格がある。

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