今年も多摩丘陵ではヤマユリが咲き始めた。ここは数年前に見つけた穴場である。雑木林の林床で、外から見てもちょっと分からない。
梅雨後半の雨が降り続いてしばらく見に行けなかった。夏空と一緒に咲くイメージがあるので、まだ先かとも思ったが、念のため行ってみることにした。温暖化の影響か今年の花はなんでも早い。案の定であった。
草木が鬱蒼として薄暗い中で大きな白い花は目立つ。朱色の雄シベもルージュを引いた唇みたいで印象は強烈である。日本固有種。かつての里山は今頃この花が咲き乱れていただろう。
測ってみると花は左右17㎝もある。斜め下向きの花は、連日の雨で重くなって茎が大きく曲がり、地面についてしまっているものまである。そっとゆすって水滴を取った。