ヤマユリに少し遅れて雑木林にこの植物が群れ咲いていた。薄暗い林床に白い花がよく目立ち、蝶が盛んに飛び交う。ヒヨドリが鳴く夏に咲き始めるのでこの名前になったとのこと。そういえば鳥の声も多く聞こえる。
キク科で、米粒ぐらいの小花が集まった房咲きである。個々の花は、筒状の花弁の先が浅く五裂し、中から二裂した雌シベの先がⅤ字型に長く伸びている。使い古した歯ブラシの先みたいでちょっとヨレた感じだ。近場では普通にみられる。ただし手入れされた里山の林床や林縁などには多いようだ。
同じ仲間に4枚の葉が輪生するヨツバヒヨドリがある。また、よく似た秋の七草、フジバカマは絶滅危惧種だ。類縁だが、葉が三裂するところが異なる。最近は花に薄桃色が掛かる園芸種も街で見かける。