植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

相模川の玄武岩 その2

河原の石に同じ玄武岩でも特徴が異なるものも混じっていた。富士山の溶岩より赤っぽい色で、生地はレンガのような印象である。気泡は少ない。ところどころにある白い物質はカッターナイフで傷がつかないほど硬い。

 

考えられるのは枕状(まくらじょう)溶岩である。玄武岩質の溶岩が海底で噴出した際、海水で急激に冷やされて丸い枕のような形になったものだ。急冷のため表面が緻密な構造になっている。この石は丸みを帯びた物体の一部のような形状をしており、枕状溶岩の表面部分の可能性がある。

 

丹沢山地の奥地にはあちこちに露頭(ろとう、露出しているところ)がある。これははるか昔(1500~1000万年前)、丹沢が南方の海の中にあって海底火山だったころ海底に噴出した溶岩の名残である。フィリピン海プレートに乗って北上し。本州プレートにぶつかって沈み込めず盛り上がったのだ。年間数㎝でも1500万年もたつと何百キロも移動することになる。

 

白い物質は玉髄(ぎょくずい)とよばれる微細なケイ酸の結晶の集合体のようだ。メノウの仲間である。枕状溶岩の生成後にケイ酸分に富む熱水が浸透してきて空隙を埋めたものと考えられる。