植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

丹沢石灰岩の断面

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 以前紹介した神奈川県西部の丹沢山地で採集した石灰岩である。左右10㎝ぐらい。

 丹沢は1500万年前には火山島で、遥か南方の太平洋上にあった。これはその周囲に存在したサンゴ礁の化石とされる。比較的新しいため、元になったサンゴや貝殻の破片が明瞭に残っている。沖縄などのサンゴの砂浜の様子を想像すると良い。

 最近思いついて石材屋で切ってもらった。何か「見えて」来ないか期待したのである。

 断面は息をのむような不思議な模様になっている。まるでミロかカンディンスキーの抽象画だ。丸っこいのは枝状サンゴの断面、白っぽいモヤモヤしたものは石灰藻と思われる。熱帯魚の水槽に入っていてサンゴ礁の雰囲気を出しているものだ。なお、赤黒い断片や砂は火山噴出物と思われる。

 左側に断片状の波打った白いものの連なりがある。上下に弧状に並んでいるので、ひょっとするとシャコガイのような南方系の貝の殻かもしれない。

 

 丹沢山地の有孔虫化石:2018-09-07. 丹沢山地石灰岩:2018-12-26.