以前紹介した神奈川県西部の丹沢山地で採集した石灰岩である。左右10㎝ぐらい。
丹沢は1500万年前には火山島で、遥か南方の太平洋上にあった。これはその周囲に存在したサンゴ礁の化石とされる。比較的新しいため、元になったサンゴや貝殻の破片が明瞭に残っている。沖縄などのサンゴの砂浜の様子を想像すると良い。
最近思いついて石材屋で切ってもらった。何か「見えて」来ないか期待したのである。
断面は息をのむような不思議な模様になっている。まるでミロかカンディンスキーの抽象画だ。丸っこいのは枝状サンゴの断面、白っぽいモヤモヤしたものは石灰藻と思われる。熱帯魚の水槽に入っていてサンゴ礁の雰囲気を出しているものだ。なお、赤黒い断片や砂は火山噴出物と思われる。
左側に断片状の波打った白いものの連なりがある。上下に弧状に並んでいるので、ひょっとするとシャコガイのような南方系の貝の殻かもしれない。