植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ノイバラ満開

街では色とりどりの豪華なバラが見ごろになっている。一方近郊の野山でも野バラが満開である。今の時期咲いているのはノイバラという種類だ。小さな白い花をたくさんつけるのだが、園芸種に比べるといかにも地味だ。ただ香りは強い方で、「風薫る5月」の一端はこの花が担っていると思う。

 

山野以外に野バラが多いのは大きな川の周辺だ。下の画像は相模川河川敷のノイバラである。山から種が流水で運ばれて根付いたのであろう。点々と大きな株がある。相当な数だ。そのため河原全体がバラの香りに包まれている。

代表的な日本の野バラで全国に分布する。半つる性の低木。初めは上に伸びアーチ状に垂れ下がる。高さは1.5-2mぐらい。円錐形の花序が立ち上がり、径2㎝ぐらいの花を多数つける。花は基本的に白色だが時々ピンク色がかかったものがある。

葉は奇数複葉で小葉が9枚のものが基本。一番根元の2枚が小さかったり、無かったりするものがある。先端の1枚が他の葉より小さいか同じぐらいの大きさである。また、複葉の根元を覆うように付いている葉のようなもの(托葉、たくよう)が、細く千切れたように広がっているのも見分けるポイントだ。トゲも先がかぎ状に曲がっている。