街では色とりどりの豪華なバラが見ごろになっている。一方近郊の野山でも野バラが満開である。今の時期咲いているのはノイバラという種類だ。小さな白い花をたくさんつけるのだが、園芸種に比べるといかにも地味だ。ただ香りは強い方で、「風薫る5月」の一端はこの花が担っていると思う。
山野以外に野バラが多いのは大きな川の周辺だ。下の画像は相模川河川敷のノイバラである。山から種が流水で運ばれて根付いたのであろう。点々と大きな株がある。相当な数だ。そのため河原全体がバラの香りに包まれている。
代表的な日本の野バラで全国に分布する。半つる性の低木。初めは上に伸びアーチ状に垂れ下がる。高さは1.5-2mぐらい。円錐形の花序が立ち上がり、径2㎝ぐらいの花を多数つける。花は基本的に白色だが時々ピンク色がかかったものがある。
葉は奇数複葉で小葉が9枚のものが基本。一番根元の2枚が小さかったり、無かったりするものがある。先端の1枚が他の葉より小さいか同じぐらいの大きさである。また、複葉の根元を覆うように付いている葉のようなもの(托葉、たくよう)が、細く千切れたように広がっているのも見分けるポイントだ。トゲも先がかぎ状に曲がっている。