郊外の住宅地にある遊歩道。花壇からなにか茶色いものが突き出している。よく見ると地面からいきなり花穂だけが伸びている。花は筒状で黄色に紫色の模様が入り、花穂の軸は赤茶色である。
図鑑等で知ってはいたが、見るのは初めてだ。葉緑素を持たない寄生植物。地中に塊根がありそこから寄生根を出して栄養を吸い取る。マメ科やキク科に寄生する。周囲にマメ科のシロツメクサ(クローバー)が生えているのでこれが宿主(しゅくしゅ、寄生先)だろう。宿主より大きくなっている。ひどい奴だ。
地中海沿岸原産の帰化植物。クローバーが牧草として日本に導入された時付いてきたようだ。繁殖力が強くて宿主を弱らせるので要注意外来生物に指定されている。
ハマウツボ科。名前の由来は同属にハマウツボという植物があり、それより細い見た目から。また花の形が矢を入れる容器の靭(うつぼ)に似ているから。しかしヤセウツボという名前には禍々(まがまが)しい響きがある。少し異様な外見もあって、海のギャング、ウツボを連想してしまうからかもしれない。