植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ギンラン(銀蘭)

家から徒歩20分ぐらいのところにキンラン(金蘭)ギンランがみられる雑木林がある。鬱蒼とした林とともに畑や眺望が開けた草原(くさはら)などもあって多様な植物がみられる。私の植物観察のポイントの一つだ。

 

ギンランの花は純白でほとんど開かないままだが楚々として美しい。キンランとは白花と黄花の違いはあるが姿かたちはよく似ている。ただ、ずっと小柄で、近場のものの草丈は10㎝もない。花も4~6個ぐらいだ。それが高木の下生えの潅木の更に下に生えているので、よほど目を凝らさないと見つけることはできない。

 

キンギンの二種類はいつも一緒に生えているような気がする。花期がほぼ同じで、どちらも生育環境が雑木林の下の昼なお暗い、普通の草が生えないような限られた場所であるためと思われる。木の根や菌類が関与する複雑な共生関係を築いて栄養を得ているので、葉緑素を持ちながら光合成のみに依存しないのである。そのため他の場所に移したり、環境が変わったりすると共生関係が崩れてもう生えなくなってしまう。

 

だいぶ前この場所で初めてキンランを見つけた時、1本だけギンランを見た。その後毎年探していたが見つけることができず、この場所では絶滅してしまったと思っていた。今回見つけられて感激である。大事にしなくては。