植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アメリカハナズオウ

あるマンションの入り口付近に植えられていたもの。昨年夏ごろから通りすがりで見ていたのだが、何の木かわからない。高さは5-6mあり、ハート形の葉をつけている。おそらく外国産の園芸種だろうと思っていた。冬は葉を落とし、今頃になって花が咲いた。蝶形花と呼ばれるマメ科の特徴があり、それを手掛かりに調べてようやく正体が分かった。

 

名前の通りアメリカ原産の落葉高木である。マメ科ジャケツイバラ亜科。改めて見てみるとピンク~赤紫の花が美しい。花の長さは1.5㎝くらいで、短い花柄が付いている。葉の展開前に幹や枝の節々から蕾を出し、房状に花を付ける。

 

近縁種で中国原産のハナズオウと比べると花がやや小型で色が薄い。またハナズオウの開花時期はずっと前で早春の花である。名前の由来だが、別種にスオウ(蘇芳)という植物があり、赤系の染料が取れる。花の色がその染料で染めた色(スオウ色)に似ているためとのこと。