公園を歩いているとアセビが生け垣のように植えられていた。壺形の小さな花が房になって垂れ下がり、赤紫がかっていた色が開花とともに純白に近くなっていくようだ。接写してみると磁器のようなツヤがあり透明感がある。ガクや房の軸も白に近い色である。早春のピリッとした空気と同じようにすがすがしい印象を受ける。
ツツジ科アセビ属の常緑低木。山形県以西の山地に自生する。あまり大きくならないので庭や公園によく植えられている。野生のものでは5~6mの大木を見たことがある。スズランに似た花は長さ6~8mmで、円錐形の花序にたくさん付く。
アセビという名前には、毒成分を含むため食べた馬が酔ったようになるということで「馬酔木」の字があてられている。しかし毒があるという意味の「悪し実(あしみ)」が訛ったという説が有力だ。
薄紅色で香りが強いアケボノアセビを含めていろいろな種類がある。暖かい日に見て歩くのも楽しいと思う。