圃場の片隅のヤマザクラの大木の日陰にミョウガが植えられている。生姜そっくりの葉で1mぐらいになる植物だ。茎の先に花は咲かず、根元に花蕾を出す。これがいわゆる食べるミョウガだ。そろそろ時期だなと思って見たが何もない。どうやらすでに収穫されてしまったようだ。よく探すと数本見つかった。花は、咲くと味は落ちるので出回らず、知らない人が多いと思う。
花蕾の中には花芽が詰まっており、次々と咲いていく。根のように見えるのは次の花である。花は3つに裂け中央部分が舌状で大きい。雄シベ雌シベは1本ずつで、根元の黄色っぽい部分が花粉の詰まった葯(やく)だ。透明感のある意外に可憐な花だ。
日本に自生する植物で、茗荷谷などの地名が残り、古くから食用とされていた。思いがけない神仏の助けを冥加(みょうが)といい、それに通じるため縁起物として家紋等にもなっている。