植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

スミレの種(たね)

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先日タチツボスミレの閉鎖花(へいさか)を紹介したが、今回はスミレの種の話。

 

スミレ(濃い紫色の種類)は街中でも見かける。車の多い道路ぎわのフェンスとアスファルトの間などちょっとした隙間に群生している。よくこんなところに生えているものだと思う。花が終わった後、閉鎖花を付けるのはこの種類も同じだ。実(み)は成熟すると画像のように三つに割れて茶色い種が出てくる。あまり飛び散らないようだ。待てよ、このままでは種は雨が降るとアスファルトの上に落ち、側溝に流されてしまうだけだ。どうやって道路の隙間に行きつくのか?

 

モノの本によると、スミレの種には「エライオソーム」というものがついていて重要な役割をする。これは糖やアミノ酸など栄養のカタマリで、アリが食料として道路の隙間の巣穴に運んでいく。種自身は固いので巣穴の近くに捨てられる。アリが運ぶのを実際に見たわけではないが、スミレはそうやって効率よく増えていくようだ。

 

画像を拡大してエライオソームを見ようと思ったが、どうもはっきりしない。種の尖ったところに付いている小さな半透明のもの(中央下の二つ)がそうだと思う。