植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アオイスミレ(葵菫)

f:id:M_majipan:20220321174959j:plain

アオイスミレを多摩丘陵で探してみた。近場では一番早く開花するスミレである。陽だまりなどではタチツボスミレも咲き始めており、大きさや花色、葉の形が似ているため近くでもなかなか見分けることが難しい。これはと思うものをひざまずいて確かめることを繰り返した。

 

意外に早く見つかった。日当たりのよい果樹園の一角である。一旦、目が慣れると、畑の周辺や雑木林の林縁、切通しの斜面などにけっこう多いことが分かった。

 

一般にスミレの花弁(はなびら)は、上向きの2枚の上弁、横向きの2枚の側弁、下向きの唇弁(しんべん)の計5枚と、後ろ向きの距(きょ、蜜の入った袋状のもの)からなる。アオイスミレは上弁が立ち上がるのに対し、側弁が前に出るか丸まっており、前から見るとウサギかミッキーマウスの顔形のように見える。

 

タチツボとの違いは、花の形が異なることと、花茎に毛があること、距(きょ)が白くて太く、上に曲がって立ちあがることなどである。葉はタチツボより丸っこく、先がとがったハート形をしている。葉の形が徳川家の家紋である葵(あおい)に似ていることが分かるだろうか。