大気汚染に強いので公園の周りなどに植えられているのをよく見かける。地味な木だが、今頃は紫がかった黒灰色をした楕円形の実が鈴なりになっていてそれとわかる。変わった名前は、中国原産で「トウ(唐)」、実が鼠のフンみたいな色と形なので「ネズミ」、葉がモチノキに似ているので「モチ」なのだそうだ。「ネズミモチ」と聞くと鼠がお供え餅を引いている図が浮かんで面白いと思う。
見ると、実がなくなっている部分が結構ある。ヒヨドリやムクドリが好んで食べるためだ。そういえば冬になるとこれらの鳥があちこちで群れているのによく出会う。その結果、種が広範囲に蒔かれることになる。ウチの狭い庭にも鳥が来る。ツヤのある双葉が芽を出すが、我が家の面積では育てるのはムリなので抜くしかない。
樹勢が強くて他の木を圧倒してしまうし、鳥がむやみに種をばらまく。案の定、侵入外来種として要注意樹種になっているところもあるそうである。便利だからと安易に外国原産の植物を植樹するのも考えものである。