赤、青ときて今度は緑の石の花だ。画像は翠銅鉱という銅の鉱物である。緑といっても青緑か暗緑色といった方が良いだろう。カザフスタン産で、最初に発見されたときはエメラルドと間違えられたそうだ。
ガラス光沢だが、結晶の中に微小な割れ目(劈開面)があって光を反射し、それがキラキラ感を増幅させている。手に取って光らせていると、何ともいえぬ清浄な気持ちになった。
翠銅鉱の「翠」とは、よごれのないみどり色の羽を表し、鳥のカワセミ(翡翠)の雌を意味するとのこと。
カワセミは街中の水路に住んでいたりして、あまり珍しいものではない。さすがに用心深く近づくことはまずできない。だが、学生の頃、山登りで沢を歩いていた時、目の前にいきなりこの鳥が飛び出してきたことがある。あの時一瞬横切った鮮烈な青緑色(と腹側のオレンジ色)が目に焼き付いている。確かにあの色に近いかもしれない。