今度は青い石の花。色から想像されるようにラピス・ラズリ(瑠璃、るり)の主成分の鉱物である。大理石の中に結晶が埋もれており強烈な存在感を放っている。透明感はなく、粘土のような柔らかそうな質感だが、結構固い(モース硬度5-5.5)結晶だ。鉄(硬度4-5)の小型ドライバーで大理石(硬度3)の中から傷つけずに掘り出せる。
菱形十二面体の結晶を作る。画像では稜線が見えるが、菱(ひし)形(平行四辺形?)の面ははっきりしない。
アフガニスタン産。古代から中近東の特産物であり、地中海世界からはウルトラマリン(海の向こう)と呼ばれて群青色(濃い紫がかった青)の顔料等に使われたとのこと。有名なフェルメールブルーはこの色である。
以前(11月6日付)紹介したナンテンハギの花もこの色である。カワイイ花だが、草むらの中で非常に目立っていた。画像を比べてみて頂きたい。
紫がかった青というのは不思議に印象に残る。夜明け前の清浄な空の色を連想するからか。ユーミンの名曲「コバルトアワー」を思った。