銀の鉱物は何種類か知られているが、赤紫透明のものがある。その華やかさからルビーシルバーと呼ばれる。金属である銀の質感からは想像もできないような色だ。買ったのはだいぶ前なので表面がくすんでいるが、かつてはもっと透明感があった。ガラスのような感じなのだが、結晶面が金属のように青白く強く輝くところが気に入っている。いろいろと試してみたが、カメラでは貴金属特有の重厚な輝きがうまく出せないのが悔しい。
画像は日本では淡紅銀鉱(たんこうぎんこう)と呼ばれる種類である。銀と硫黄、ヒ素の化合物だ。類縁に濃紅銀鉱(のうこうぎんこう)という、音だけ聞くとイナカの信用金庫みたいなものがある。いずれも重要な銀の鉱石である。
モロッコのイミテル鉱山産。美しい結晶が出るので有名だ。六角柱状の小結晶の集まりがキラキラ輝く。そこが何とも素晴らしい。そのため買った後は飽きずに眺めていた。ただし、銀化合物の例にもれず光が当たると色が黒っぽくくすんでしまう(写真の原理だ。)ので、机の中に秘蔵して時折出してきて楽しんでいる。