植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヒメガマの穂

いつもの川。住宅地の中とは信じられないが、水流の中にガマの大きな群落が見られる。浅い水中に根を張り水上に茎や葉を出すアシやハスなどの植物を抽水(ちゅうすい)植物という。ガマもその一つである。濃い緑の葉が風にそよぐと涼しげだ。

 

今は一斉に変わった形の穂を出している。細い花茎がまっすぐ伸び、先端に巻きつくように花の塊が付く。上が雄花で、黄色い花粉をまき散らしてすぐ枯れてしまう。雌花はずっと残って、ちょうどソーセージを串に刺したような形になる。

 

ガマ科。いくつか種類があり、ここで見られるのはヒメガマ(姫蒲)である。葉の長さは2m弱。普通のガマと比べると草丈は同じぐらいだが全体に細身で、穂が赤っぽいため女性的なイメージがある。特徴は雄花と雌花の間が開いており緑色の花茎が見えること。

 

ガマは漢字で「蒲」と書く。昔から独特な形が注目され、蒲焼や蒲鉾の名前の由来になっている。どちらも古くは鰻のぶつ切りや魚のすり身を串で焼いたためという。