市街地の川は両岸と底がコンクリートで固められており、水流も普段は一定である。川の中は本来水草以外生えないはずなのだが、意外に多くの植物が見られる。太陽光と水、栄養(汚水の)は十分だが、常に流されるリスクがあるという独特の生態系だ。
茶色のソーセージみたいな穂を出すガマ(蒲)は、開発される前の岸に生えていたのだろう。川の真ん中に大きな群落を作っている。アシなど湿地の植物も見える。その他ジュズダマやオオイヌタデも多い。
一番目立つのが画像のオオブタクサだ。アメリカ原産の帰化種。草丈は3mを超えまるで林である。今は恐ろしい数の雄花の花穂が出ている。雄花と雌花は以前紹介したことがあるが、大きな種はトゲがあって服などに付き、水にも浮く。
なぜこんな場所に生えていられるのだろう?思うに、先ずガマがコンクリートの割れ目などから芽を出し、それが抵抗になって下流に土砂が溜まり砂州ができる。上流から流れ着いたブタクサの種がそれを足場に急速に成長し、地下茎をがっしり張って固定するとともにさらに砂州を広げた…。というようなことだと思う。
しかし花粉のこともあるが、本来あってはいけないものだ。先日の台風には耐えたようだし、冬は枯れる。ただ、根から引き抜かれるような増水の場合どこかで詰まってしまわないか心配である。