野道の道端に咲いていたものだ。別のところで白花も見た。この花は妙に間延びしていてとぼけた味がある。そのせいか、写真を撮ろうとしてもなかなかサマにならない。
花の中に蛍が入りそうなイメージである。そういえば今年も蛍の季節になった。蛍といえば思い出すことがある。
例年近場の自然公園に蛍を観に行く。ある時、子連れの家族がいて、子供を懸命に説得していた。見ると子供の両掌の指の間から光が漏れている。灯りがないので意外なほど光って見えた。「離れたくないのはわかるけど、放してあげようね。」光芒を残して飛んでいった。
自分が子供の頃、手で蛍を捕まえた時の感触や、独特の臭いまで蘇った。