先日の砂金採りでパンニングしている時、妙な事に気が付いた。
川砂をゴールドパンに入れ流水中で揺すって砂などを流すと、最後に比重の重い砂鉄(磁鉄鉱)が残る。さらに砂鉄を除いていくと、より比重の重い鉛の釣り用錘(釣り人の落とし物)や銅製品の破片のようなものが現れる。永年水中にあったためか、それぞれ表面が錆びており材質は色でわかる。鉄くぎなどもボロボロに錆びている。砂金があるとすればその下なのだが、大概はハズレだ。
その時、金属製の微小な球体が含まれているが気になった。磁石に付くので鉛や銅製ではない。付き方の強弱があり、鉄またはその合金であろう。大きさは、画像の中の一番大きなもので直径0.8ミリメートルぐらいであり、一定していない。また、表面は黒っぽいが、赤錆は出ていない。中には異様にきれいな球状をしているものもあった。河原の石は丸っこいが、きれいな球体にはならない。
散弾は鉛だし、ベアリングにしては小さすぎるようだ。鉄を溶接した時、溶けて飛散した鉄が球状になるのを見たことがあるが、こんなきれいな球になるのだろうか。それに普通の鉄なら錆びて消えてしまうだろう。
色々調べたところ、「コズミック・スフェルール(宇宙の小球体?)」というものかもしれないと考えている。微小な鉄隕石(宇宙塵、材質は鉄とニッケルなど。石質もある。)が、地球に突入するとき大気との摩擦で溶け、回転しなが冷えて固まると表面張力により球状となるそうである。正確なところは、電子顕微鏡観察と、元素組成の精密な分析などが必要だ。
流星とともに、微小な星間物質(宇宙塵)は年間3万トンも地球に降り注いでいるそうである。あまり小さくなると成層圏で浮いており、落ちてきても風に飛ばされた砂ぐらいにしか感じないようだ。この川は流域面積が広く、どこかに降下したものが流水で運ばれてきたのだろう。
欲に目がくらんだ金(きん)の話から、宇宙の話に飛んでしまった。まあこんなことを考えるのも楽しいことだ。