私の参加している援農のNPOでは、研修農園で使う堆肥を自分たちで作っている。堆肥にもいろんなタイプがある。原料は大学の馬術部から貰ってきた馬糞入り麦わら(お礼はできた野菜)とごみ処理場から出た木材チップが中心で、圃場から出た野菜くずなどを混ぜて山にする。重さは一山100kgくらい。
これを自然発酵させるのだが、微生物がうまく働けるように毎週天地返しをする。冬など発酵熱で盛大に湯気が上がる。私も最初はヘロヘロになったが、だいぶ体が強くなった。
それを半年繰り返すと、ほとんど黒土と変わらなくなる。臭いは最初は少しあるがその後は無臭である。窒素分の多い牛糞などは使わないし、微生物が分解するのでので、出来上がりを分析すると窒素分はほとんどない。従っていわゆる肥料的な効果はあまりない。肥料は別に配合肥料を適宜使っている。
しかしこれが作物には良いのである。このあたりの本来の土壌は、関東ロームの赤土か、その下の海成砂土である。いかにも貧栄養の黄土色だが、堆肥を混ぜるとフカフカの黒土に変わる。作物を抜いてみると根をしっかり張っていることがわかる。土質改良効果は抜群である。
できた野菜は、みずみずしく、食べると張りがあって、本来のうまみがある。えぐみや筋っぽさが少ないので、山盛りのサラダがペロッといけてしまう。
一般の農家さんがこんなことをしていては、とてもペイしない。理想かも知れないが、少しでも近付ければと思う。