古代ローマのコインには女性が描かれているものも多い。画像は皇帝アントニヌス・ピウスの皇后(AUGUSTA)ファウスティーナである。同名の娘(次の皇帝の皇后)と区別するため「大」がついて呼ばれる。早く亡くなったため、愛妻家の皇帝によって神格化され、このコインのようにDIVA(「神君」の女性形)の尊称の付いたものが数多く残っている。
なお二人は神殿に共に祀られた。それは後世教会に改造されて、現在も残っているそうである。
端正な顔に、非常に凝った髪が印象的である。古代ローマ展で同時代の大理石像を見たことがあるが、当時の女性のヘアスタイルは絢爛豪華で、圧倒された覚えがある。どこか現代的に感じるのは、今のヘアデザイナーがインスパイアされたためだろう。