いつもの街中の川。台風による増水が引くと川底の藻などが流されていてきれいになっている。歩いていくと大きな望遠レンズ付きカメラを持った人がいた。近づくとやはりそうだ。都市河川のスター・カワセミである。それも2羽と豪勢だ。
この川でも2,3度見たことがある。いずれも一瞬で、低空を高速で飛び去り青緑の光の残像を残すだけであった。非常に用心深く敏捷で人が近づくとすぐ逃げる印象があったが、今日はどうしたことか護岸の上からのぞいても逃げない。何か一生懸命対岸の方を見ているようだが、ガマ(蒲)の繁みしか見えない。
黒光りするクチバシが不釣り合いなほど大きいので、身体は小さく細っそりとして見える。後ろ姿は頭から尾羽にかけての緑がかったメタリックブルーの印象が強烈である。翡翠と書いて「カワセミ」とも宝石の「ひすい」とも読むことが納得できる。