少し気分が塞ぐので春の海が見たくなった。画像は鵠沼(くげぬま)海岸から見た江の島である。ここはいつ来ても明るく、陽を浴びた波がキラキラして爽快な気分になる。空は晴れているのだが白っぽく、江の島は青く影のように見える。春霞(はるがすみ)だ。
芽吹いた植物などからの蒸散で増加した水分が、まだ冷たい大気に触れて微小な水滴になる現象である。なかなか風情があってよいと思う。ただ、景色の中で江の島のシルエットばかりが強調されて、海の広さが分かりにくかったのは少し残念だった。
実を言うと、最初はPM2.5か黄砂と思った。今頃の季節はどちらも多いが、あまり気持ちの良いものではない。後で調べるといずれも少ないという予報だった。そう思ってしまうのは、長い閉塞感で気持ちが病んでいるせいかもしれない。まあ春はもともと憂鬱なものだが…。