虫にやられたのか穴だらけだが、これが藍染に使う藍(あい)の苗である。研修農園の片隅に植えられていた。よく見ると、傷がついた部分が藍色に変わっていることがわかる。画像ではよくわからないが、青光りしているような深い色である。
衣服の染色に使ってみようと思った古代人は慧眼である。江戸時代には庶民はみんな落ち着いた藍染の着物を着ていた。浮世絵の青はこの色で、海外では「広重ブルー」というそうである。
この藍色成分がインディゴである。そうブルージーンズの青色染料だ。西部開拓時代のアメリカ人は、幌馬車に使われていた帆布と鋲でズボンを作り、毒蛇除けに青く染めた。もちろん工業合成インディゴなので、ドライな単色の青である。アメリカ的な荒っぽさと合理性を感じる。
藍染は手間が大変で現在は高価である。自分で藍の栽培から始める人も結構おられるようだ。