植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

藍色

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 虫にやられたのか穴だらけだが、これが藍染に使う藍(あい)の苗である。研修農園の片隅に植えられていた。よく見ると、傷がついた部分が藍色に変わっていることがわかる。画像ではよくわからないが、青光りしているような深い色である。

 衣服の染色に使ってみようと思った古代人は慧眼である。江戸時代には庶民はみんな落ち着いた藍染の着物を着ていた。浮世絵の青はこの色で、海外では「広重ブルー」というそうである。

 この藍色成分がインディゴである。そうブルージーンズの青色染料だ。西部開拓時代のアメリカ人は、幌馬車に使われていた帆布と鋲でズボンを作り、毒蛇除けに青く染めた。もちろん工業合成インディゴなので、ドライな単色の青である。アメリカ的な荒っぽさと合理性を感じる。

 藍染は手間が大変で現在は高価である。自分で藍の栽培から始める人も結構おられるようだ。