ゆうきまさみさんのコミック「新九郎、奔る!」は最初の戦国大名といわれる北条早雲(伊勢新九郎)とその時代を描いたものだ。今住んでいるところが戦国北条氏の領域なので昔から興味があり、すっかりはまってしまった。韮山(静岡県伊豆の国市)付近は新九郎の生涯に重要な位置づけになるため実際に行ってみたくなった。日本史上の重要な人物が数多く出たゾーンでもあるのでついでに見て回ることにした。
富士山と狩野川(画像上)
快晴の休日、三島から伊豆箱根鉄道で韮山へ。伊豆半島の付け根の広い平野だ。沿線は黄金色の稲穂が海のようだった。北の富士山が大きく見える。今の時期雪はなく真っ黒だが神秘的な美しさがある。川は狩野川といいこの地域の中央を流れる。かなりの水量と流速があり、富士山方向に流れて沼津付近で方向を変え駿河湾に注ぐ。
蛭(ひる)が小島(画像下)
韮山駅から東方向に向かうと徒歩15分ぐらいで着いてしまう。鎌倉幕府を開いた源頼朝の流刑地である。彼と政子の像があるが説明板や顕彰碑だらけで元の地形を偲ぶことは難しい。ただ富士山がきれいだ。
韮山城址
駅からすぐ韮山城址の丘陵が見えてくる。意外と低い。蛭が小島の裏山ぐらいの位置になる。案内板によると周囲を堀に囲まれた堂々たる城であったようだが、石垣はなく当時を偲ぶものはあまりない。二の丸、本丸にはすぐ登れた。新九郎はここを終生の居城とし伊豆・相模計略の拠点とした。本丸の下あたりから富士山が裾野までくっきりと見えた。
江川邸
城から降りて数分で江川邸に着く。幕末、ペリー来航以来の国難に魁(さきがけ)となって立ち向かった太郎左衛門英竜が有名。ここも少し歩くとやはり大きく富士が見える。
毎日富士山を見ているとパワーをもらって気宇壮大になるのかもしれない。