相模川の堤防上の空き地に銀白色の穂が一面に広がっていた。高さは50㎝くらい。柄が茶色のため目立たず穂だけが宙に浮いているように見える。何か白いものが一斉に草原から噴き出しているようで不思議な感じだ。春風に揺れていると独特の風情がある。
イネ科の多年草。日本全国に分布。冬、地上部は枯れるが、地下茎から芽を出し今頃花穂を出す。畑地や草刈りがされた空き地などに多い。これも日当たりを好む植物で、背が高いススキなどが生えてきて日当たりが悪くなると消えてしまう。
古くから知られており、古事記や万葉集にも登場する。名前の「チ」は漢字の千で、群生するさまを表している。「カヤ」は茅と書き、先の尖った葉を武器の矛(ほこ)に見立てたものだ。端午の節句のちまき(粽)は、一説にはかつてはチガヤで包んだので「茅巻き」がその名の由来であるという。