丘陵地の明るい雑木林の中。点々と咲いているタチツボスミレの花を見て歩いていると奇妙な植物が目についた。地面からいきなり長い葉柄が1本だけ出て、先端の葉がレゲエヘアーのように垂れ下がる。草丈は15㎝ぐらい。白い毛に覆われている。
名前は「破れ傘」。うまいこと付けたと思う。モスグリーンの色合いもあってちょっと不気味。カラカサお化けを連想する。
キク科の多年草で、本州、九州、四国に分布する。若い個体は葉1本だけで、栄養を蓄積すると花茎を出して地味な花を付ける。花期は7-9月。若い芽は傘がすぼんだ形だが、成長とともに開いて水平に広がる。少し歩いたところに群落があった。独特の雰囲気がある。花の咲く夏にまた見に来ようと思っている。