植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

輝沸石とセラドン石

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コロナ禍で屋内の生活が多くなった。そんな時、机の上に置いて時々ひねくって楽しんでいる石がある。眺めながら物思いにふけったりする。

 

画像は輝沸石(きふっせき)である。数年前伊豆半島河津町浜海岸まで行って探したものだ。伊豆火山群の溶岩が海になだれ込んで海食台(かいしょくだい、波に削られた台地)になっており、海と陸の絶景だった。沸石などの有名産地なのだが、採りつくされたのかたいしたものはなかった。これも左右4㎝ほどのカケラだ。

 

この石は小ぶりの結晶の集まりで、真珠光沢の輝きが素晴らしい。色は白色~透明で、よく光るのだが、私のカメラでは白い点のようになってしまう。しかし、自分で採集に行って見つけたものはやはり思い入れが違う。記憶がよみがえる。

 

青緑色の部分はセラドン石だ。以前七沢石(画像下)を紹介した時触れたことがある。海底火山由来の凝灰岩にみられるが、上の石のように溶岩のすき間を沸石とともに埋めていることも多い。色合いと質感から銅のサビである緑青(ろくしょう)を思い浮かべる。しかし銅は入っておらず、発色は含まれる鉄に由来する。

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これらの石ができた時の火山の噴火や、そのもととなったプレート移動、海と陸……。壮大な大地の営みのことを思った。